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IRIS *

Archive: 2019年04月  1/1

こはるびより .33

同僚である教師や、生徒たちの視線を浴びていた。1階の廊下の北の端にはつくしの駐在する保健室以外に夜間用の管理人室以外になく人通りが少ない。子供達の声が溢れる学園内でも静かな場所にいつもと違う賑やかな声が聞こえていた。まさか…と保健室への歩を止める。生徒たちがここまで来て部屋を荒らしているのか。それまで進めていた足が重くなるのを感じるが、そのまま帰るわけにはいかない。コツコツ…コツコツ……………………………………………...

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こはるびより .32

つくしの言葉を遮った司は射抜く様な目を向ける。言葉は強く冷たいが、その表情は切なげに歪んでいた。司 「類は確かに酷ぇ事した。俺は女に興味ないし、好きとか分かんねぇけど類は適当にあんな事言うヤツじゃない。分かんねぇけどよ女として、考えてやってくれよ。」女としてと言う言葉が頭を巡る。だが、私は教師で彼は生徒だ。それは揺るがぬ事実。だが、どこかで「もしも…」と言う言葉が心に湧いてくるのも事実でそれを思う...

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こはるびより .31

相良 「ご自宅に到着されたそうです。」零士 「そうか。今夜は君ももういい。」相良 「ですが…いえ……かしこまりました。」1日の終わりを告げる報告がされ、相良がオフィスを後にすると自分でコーヒーを淹れる。その香りを楽しみながら、終わりの無い仕事に向き合った。PiPiPi……仮眠室の時計が7時を知らせ、零士はムクリと顔を上げる。仕事をするためだけのこの部屋は、自分の中で唯一リラックスできる場所。自宅と言う名の場所...

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こはるびより .30

零士 「随分時間がかかったんだね。」車に乗り込むとタバコの匂いに眉をひそめた椿が黙ったまま窓を開ける。椿 「お待たせしてすみません。」零士 「あれは…牧野さん?彼女とまだ付き合っているのか。」静かに走り出した車から見えたつくしに目を留めた。零士の声は穏やかで優しく聞こえる。だがその瞳には温度も表情もなく、能面の様な笑顔だ。椿はチラリとその顔を盗み見ると目が合った。零士と目が合うのは何ヶ月ぶりか。相...

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こはるびより .29

つ 「時間ないのにごめんね!」椿 「いいのよ。それに昨日のつくし見たら、そのまま1人にして置けなかったもの。あれじゃきっと、ぼうっとし過ぎてお風呂で溺れてたわね。」静のバースデーパーティーの翌日つくしは道明寺家で目を覚ました。椿は今夜、夫婦同伴のパーティーに出席する予定があるが突然の告白に放心状態だったつくしを放って置けず邸へ連れ帰っていた。メイド 「椿様。そろそろお迎えの車が到着されます。」寝起...

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こはるびより .28

ライトが落とされた会場に光が戻りそこに溢れんばかりに鳴り響いていた拍手の音が止まった。暫くすればまた、同じ様にセレブたちの会話が繰り広げられるが既にお開きといった状況の今会場に残る人は少なくなっている。ただ1人、つくしだけはその場に立ち竦んでいた。漸くパートナーとしての役を終えた類は愛おしい彼女の側へと歩を進めたが目の前に壁を作る男がそれを許してはくれない様で溜め息を吐いた。類 「祥兄…どいて。」祥...

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こはるびより .27

藤堂家の執事に促され、静が壇上であいさつをする。類はその後ろにつき、ナイトの様に見守っていた。静 「ー 私の夢は国際弁護士です。夢に気がついたのは私が10代の頃に出会った家庭教師の先生のお陰です。その方は大きな夢と希望を胸に、目標に向かって常に前を見て全力で頑張っていました。私もこんな素敵な女性になりたい。私の憧れだった先生は夢を叶えられ、立派にお仕事をなさっています。私も先生の様に、夢を夢のままに...

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こはるびより .26

なんてタイミングだよ。余計な事を口走った司は椿からその名の通り鉄拳制裁を受け涙目になって頭をさすり総二郎はポカンと口を開けたままつくしと祥一郎を目だけを動かして見ている。司 「痛ぇな姉ちゃん!」類 「司。どうゆう事?」司 「あぁ?」類 「元サヤって?」つくしと祥一郎は気まずそうに苦笑いを浮かべるだけで話す気は無いのか類はこの状況に益々苛立った。あ 「そりゃ、その名の通りだろ?2人は昔付き合ってた…」...

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