こはるびより .39
※注意※
今回の話には医療に関する話題が入っておりますが
私は医療従事者ではありませんし、内容は
お話の都合上、作り上げられたフィクションです。
その辺をご理解頂いた方のみお話へお進みくださいませ。
あれから
本当につくしが片手間にやっていた医療相談の新HP情報が、大々的にリリースされた。
必要な手続きは済ませたと言う言葉通り、お役人の方もこのHPについて会見で話したりして
あっと言う間に浸透した。
F4の話を聞いて直ぐに辞退を申し出たつくしだったが、事業を進めるのに
便宜上医師免許を持つ者が代表の方が良いんだと言いくるめられ
そのままになっていた。
つ 「なんか、大変な事になってるね……」
椿 「大丈夫よ。私たちに任せてくれればね。
ちゃんと利益は出始めてるし。」
高校生の思いつきにしては大きな話すぎる。
普段は散々自分の生まれを恨む様なことばかり言っていたが、やはりカエルの子はカエル。
前例のない新しい事業を話し合いながらも順調に運営していたが
順風満帆なのはそこまでだった。
年が明け、採用時から契約期間が定められていたつくしは
春から英徳大学病院の勤務医に戻る予定で
それに向け、自身でも再度勉強をしていた頃。
ある小さな編集社からこんな記事が出た。
『良家の御曹司を手玉にとり低賃金労働させる淫乱医師』
初めは見開き半分程度の小さな記事。
F4や椿だけで始めたHPも利用者や取引が増えればそれに応じて形を変え
つくしを応援していた楓の提案で道明寺のグループ傘下に入った。
旧財閥としてだけでなく、世界規模でも力を持つ道明寺。
企業イメージへの対処は万全のはずだったが
あまりに小さなゴシップ記事で、目が届かなかったのだろう。
椿 「これ……どうゆうことなの?」
ネットの掲示板から少しずつ尾鰭が付き広がった記事は
最初に記事になってから数週間でテレビでも話題にされるほど大きなニュースに変わっていた。
医学部の授業料を免除する奨学金を得るため次期家元の兄に取り入った。
御曹司との結婚を狙った女医が友人の伝で英徳の保険医になり
毎日御曹司を呼びつけては何時間も監禁する。
学園内では医師からのセクハラ行為を恐れて退学者続出……
大きな話題に欠けていたのか、テレビでは連日このニュースを取り上げ
面白おかしくつくしを叩く。
とうとうネットでは本人の特定までされそうになり、間一髪の所で情報を抑えていた。
道明寺の傘下に入っても変わらず経営の中枢にいた椿たちも
情報を抑えるのでやっとで、その根源を探す余裕もない。
とうとう、騒動が落ち着くまではサイトを閉鎖すべきと言う声も上がりだす。
つくしはそんな騒動の真ん中にいる。
昔からサイトを利用し、より使いやすく病院が身近になったと喜びの声を寄せてくれていたお年寄りも
身近に相談出来る人がおらず、子育てに奮闘していた若いお母さんも
病院での激務は出来ないが、医療相談の手伝いが出来ればと手を挙げてくれた元医師の方々も
たった1人で数日に1回メールをしていた頃と違い、実際に医療現場に役立つ事が出来ていた。
普通なら見逃してしまう様な小さな症状から大きな病気が見つかり、手術をして元気になった方もいたのに
そんな方々の信頼を奪い、頼りにしていた場所も奪ってしまった。
道明寺から出向して来た社員たちやF4や椿は毎日話し合いを繰り返し
対応に追われている。
私が関わっていたばかりに………
つ 「ごめんね。私……」
類 「つくし。謝らなきゃいけないのは俺たちだよ。
もっとしっかり目を光らせておくべきだった。」
司 「お前、自分が悪い訳じゃねえんだから無駄に謝罪すんな!
俺らに任しとけ。」
元気付ける様に笑って見せたF4だが、やはりまだ未熟な部分も多い彼らの顔には疲れが見え始めていた。
真っ暗なデスクトップに写る悲壮感漂う顔をした自分と目が合う。
自分が1番かわいそうみたいな顔しちゃって…
行き場のない怒りがつくしの中に暗い影を落した。
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